なぜ消費者金融を「危険」と感じるのか?
現在、消費者金融は厳しい法律に基づいて運営されており、強引な取り立てや違法な高金利での貸し付けとは無縁の業態です。しかし、名前だけで連想されるネガティブなイメージから、消費者金融を「危険」と感じる人もいるのではないでしょうか。これは、ドラマや漫画などのメディアの影響もあり、「一度でも借りたら記録されて社会的地位が危うくなるかもしれない」「住宅や車などのローンが組めないかもしれない」「自宅や職場に取り立てがあると困る」など、不安な気持ちを抱くことがあるのでしょう。
しかし、信用情報機関のJICCが2022年10月に発表した統計データによると、現在、消費者金融で借りたことがある人は1028万9千人。この数字には、消費者金融だけでなく、クレジットカードのキャッシングなどを利用している人も含まれています。非常に多くの人が借りていることがわかります。
一度でも借りたら履歴に残る?
消費者金融に限らず、借入契約を結ぶ際には、「信用情報」に記録されることになります。信用情報とは、各種ローンやクレジットカードの申し込みや契約、返済状況などの情報のことで、客観的な取引事実を記録した個人情報です。申込情報は約6ヶ月間、契約・返済・入金状況は約5年間記録されます。
消費者金融会社やクレジットカード会社、金融機関では、融資の申し込みを受ける際に信用情報を確認し、申込者の返済能力を確認するとともに、契約の可否を判断する材料としています。借りたお金を返済期日までにきちんと返済すれば、信用情報に記録されるのは契約や取引履歴に関する基本的な情報だけです。記録されたとしても、日常生活に影響を与えることはありません。
しかし、長期間の返済遅延があると、信用情報に記録されます。これは一般社会では「ブラックリスト」「事故情報」と呼ばれています。5~10年程度記録される可能性がありますので、この間は各種ローンやクレジットカード、分割払いなどの審査に影響する可能性があります。
他のローンの取得に影響する場合は問題となる可能性がある
金融機関で住宅ローンやマイカーローンなどの新規融資を申し込む際には、必ず審査があり、信用情報が確認されます。そのため、信用情報に大幅な返済遅延や多くの借入が記録されていると、融資を受けられる可能性に影響する場合があります。ただし、前述したように、消費者金融を利用するだけでは、必ずしも融資の可能性に影響するわけではありません。
各種ローンの審査では、消費者金融を利用していることよりも、利用状況の方が重視されます。多額の借入があったり、過去に返済が遅れたり、他社からの借入を申告していなかったりすると、契約締結の判断に影響を及ぼす可能性があります。結局のところ、返済能力に問題があると思われる事実があれば、影響を及ぼす可能性があるということです。
取立てが怖い
消費者金融からお金を借りると、自宅や職場、親戚の家などに強引な取り立てや支払いの電話がかかってきて、生活が苦しくなるのではないかと想像される方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、消費者金融法では、消費者金融会社や債権回収を委任された会社は、厳しいルールに基づいて債権回収を行うことが厳しく規定されています。いつでも自宅を訪れて騒音を出すなどの不当な要求や、他社からの借金を迫って債務整理をすることは許されない。実際、返済が滞りなく行われていれば、取り立ては行われないため、安心して利用することができます。
お金を借りるように何度も催促されない?
消費者金融のカードローンを契約すると、利用限度額(借入の上限)が設定され、その範囲内で融資を受けることができます。限度額を超えての借入はできず、借入者自身が追加融資を申し込まない限り、限度額の引き上げは行われない。消費者金融はそもそも消費者金融法に則り、借り手の返済能力に応じて合理的な範囲で融資を行うものであり、借りざるを得ないということはないのです。借りなければ、もちろん返済の必要はありません。急に現金が必要になったときにすぐに借りられるように、保険のような感覚で契約する人もいるのではないでしょうか。
雪だるま式に借金が膨らむのでは?
「消費者金融から一度でも借りると、いずれ借金が膨らんで返済不能になるのでは?」と不安になる方もいらっしゃると思います。自分の返済能力以上の金額を借りてしまうと、返済のためにさらにお金を借りてしまい多重債務を引き起こしてしまう危険性があります。また、借金が増えると利息も増え、返済ができなくなると遅延損害金が発生することもあります。ただし、これはどんな借り入れでも同じことです。
消費者金融は、消費者が多重債務に陥らないように法律に則って運営されており、返済能力を超えた融資を行わないように審査時にチェックをしています。さらに、消費者金融の金利は、元金に利息を含めない「単利」なので、金利は常に一定です。雪だるま式に増えることはありません。金利は各消費者金融のホームページで公表されていますので、利用する前に確認することをおすすめします。また、返済シミュレーションを利用することで、事前に返済計画を立てることも重要です。
消費者金融を安心して利用するためのコツ
正規の消費者金融業者を選ぶ
「消費者金融は危険」と感じる人がいるのはなぜ?消費者金融を安全に利用するためには、まず、正規の消費者金融会社を選ぶことが大切です。国や都道府県から認可を受けた正規の消費者金融は、法律に則って運営されていますので、異常な高金利や個人情報の悪用はありません。正規の消費者金融会社は、金融庁の「登録ローン会社情報検索入力ページ」で確認することができます。
無利息期間を利用する
「無利息期間」を活用することも、安心して消費者金融を利用する方法の一つです。無利息期間とは、一定期間の利息をゼロにするサービスのことで、多くの消費者金融が導入しています。初めて借りる人がほとんどですが、無利息期間をうまく活用できれば、利息による負担を少なくすることができます。
必要最低限だけ借りる
消費者金融のメリットは、必要な時に手軽に便利に利用できることです。利用できるからといって必要以上に借りると、利息が増えたり、返済が困難になったりすることがあります。利用限度額を高く設定することは問題ありませんが、必要最低限の借り入れにとどめることが大切です。
シミュレーションで返済計画を立てておく
返済を遅らせないためには、収入と支出を把握し、現実的な返済計画を立てることが大切です。多くの消費者金融のサイトでは、希望する借入額や返済回数を入力することで、返済シミュレーションを行うことができます。借入前にこうしたシミュレーションを利用し、返済計画を検討することをおすすめします。
追加で返済を行う
消費者金融は、便利で手軽に利用できる反面、従来の銀行と比較すると一般的に金利が高くなります。金利負担を最小限にするためには、できるだけ早く完済し、可能な限り追加返済をすることが大切です。そのためには、可能な限り早く完済して返済期間を短くすることが一つの方法です。また、経済的に余裕のあるときに追加で返済することで、長期的に利息を増やさないようにすることも一つの方法です。
Webやアプリで利用する
消費者金融を利用するなど、お金を借りることに対して消費者はネガティブな印象を持っているのではないでしょうか。消費者金融でお金を借りたことが他人にバレるのが心配な方は、申し込みから審査、融資、返済までの手続きをWebやアプリで完結できるサービスを選ぶと良いでしょう。また、サービスによってはカードレスで契約できたり、自宅への郵便物を受け取らないようにできたりするので、匿名で手続きを済ませることができます。
計画的に利用すれば、消費者金融は怖くない
消費者金融でお金を借りることに対して、消費者はネガティブなイメージを持っているかもしれませんが、消費者金融法で規制されているため、法律の範囲内で運営されています。登録された消費者金融会社しかサービスを提供することができないので、心配な方は金融庁の「登録消費者金融会社情報検索サービス」で情報を確認してから借り入れると良いでしょう。消費者金融は、先に述べた注意点を守りながら、計画的に、かつ徹底的に利用することで、いざという時に便利で役立つツールとなります。